工事成績評定アップのコツ(その2)

この記事では、工事で良い評価を得るには、「こうしたら良くなるのにな!」「ここが不足していることが多いな」と私が日々仕事をしていて思っていることです。工事成績評定アップのコツ(その2)として、出来形及び出来映えについて説明します。この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

 

地方整備局工事成績評定実施要領

国土交通省(本省)のHPに「地方整備局工事成績評定実施要領」が掲載されています。工事の点数は、この実施要領に基づいて採点されています。

1.監督・検査・成績評定
(5)工事成績評定
[H25.3.25]
請負工事成績評定要領の運用の一部改正について

 別添1(地方整備局工事成績評定実施要領)
 別添2(地方整備局工事技術的難易度評価実施要領)
 別添3(地方整備局工事成績評定通知実施要領)

http://www.mlit.go.jp/tec/tec_tk_000052.html

 

改定細目別評定点採点表

 


 

地方整備局工事成績評定実施要領に掲載されている「考査別運用表」を参考にして、見落としがちなポイントについて説明します。

http://www.mlit.go.jp/tec/sekisan/sekou/pdf/130330seisekihyoutei_unyou02.pdf

 

3.出来形及び出来ばえ

Ⅰ.出来形

 出来形管理項目は設定・実施しましょう

出来形管理を設定・実施しない場合は、加点要素が大きく減ってしまいます

 

出来形管理図表

管理図表のグラフは、規格値の50%と80%と社内規格値にラインを入れて、 出来形管理図表を見やすくしましょう。

 

社内規格値

社内規格値を設けましょう。社内規格値の設定に協議等は不要です。施工計画書の出来形管理の箇所に規格値を満足するために自主的に設けた値として記載します。(社内規格値は規格値の50%~80%の値になっていることが多いです)社内規格値を外れてしまった場合の対応を記載すると、より管理していることが伝わります。

また、設計値で○○以上・○○以下となっている規格値の場合、上限・下限に社内規格値を設けると、より評価が上がると思います。

 

不可視部分の写真

写真管理基準で撮影頻度が決められています。基本は基準通りの頻度で良いと思いますが、重要と思われる箇所や変化点を適宜追加し、併せて全景などを撮影しておくと良いでしょう。不可視部分はあとで証明が難しいため、写真撮影を多くするなどして残しておくことをおすすめします。

 

規格値の協議

出来形管理基準に記載されていない場合は、規格値を協議しましょう。コンクリート関連の出来形など、パッと見は同じように見えても工種が違う時などは、協議すると良いでしょう。

 

Ⅱ.品質

ポイント 品質管理は設定・実施しましょう品質管理を設定・実施しない場合は、加点要素が大きく減ってしまいます

 

品質管理図表

管理図表のグラフは、規格値の50%と80%にラインを入れて、 品質管理図表を見やすくしましょう。

 

規格値の協議

品質管理基準に記載されていない場合は、規格値を協議しましょう。

 

評価対象項目

各工種ごとに以下の評価項目で採点されます。この項目は技術検査官の項目なので、実際に現場で確認できない項目が多くあります。写真や書面などで、説明できるようにしておくことが大切です。

コンクリート構造物工事
●評価対象項目
□ コンクリートの配合試験及び試験練りを行っており、コンクリートの品質(強度・w/c、最大骨材粒径、塩化物総量、単位水量、アルカリ骨材反応抑制等)が確認できる。
□ コンクリート受け入れ時に必要な試験を実施しており、温度、スランプ、空気量等の測定結果が確認できる。
□ 圧縮強度試験に使用したコンクリート供試体が、当該現場の供試体であることが確認できる。
□ 施工条件や気象条件に適した運搬時間、打設時の投入高さ及び締固め方法が、定められた条件を満足していることが確認できる。(寒中及び暑中コンクリート等を含む)
□ コンクリートの圧縮強度を管理し、必要な強度に達した後に型枠及び支保工の取り外しを行っていることが確認できる。
□ コンクリートの打設前に、打継ぎ目処理を適切に行っていることが確認できる。
□ 鉄筋の品質が、証明書類で確認できる。
□ コンクリート打設までにさび、どろ、油等の有害物が鉄筋に付着しないよう管理していることが確認できる。
□ 鉄筋の組立及び加工が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 圧接作業にあたり、作業員の技量確認を行っていることが確認できる。
□ コンクリートの養生が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ スペーサーの品質及び個数が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 有害なクラックが無い。
□ その他

土工事(切土、盛土、堤防等工事)
●評価対象項目
□ 雨水による崩壊が起こらないように、排水対策を実施していることが確認できる。
□ 段切りを設計図書に基づき行っていることが確認できる。
□ 置換えのための掘削を行うにあたり、掘削面以下を乱さないように施工していることが確認できる。
□ 締固めが設計図書に定められた条件を満足していることが確認できる。
□ 一層あたりのまき出し厚を管理していることが確認できる。
□ 芝付け及び種子吹付を設計図書に定められた条件で行っていることが確認できる。
□ 構造物周辺の締固めを設計図書に定められた条件で行っていることが確認できる。
□ 土羽土の土質が設計図書を満足していることが確認できる。
□ CBR試験などの品質管理に必要な試験を行っていることが確認できる。
□ 法面に有害な亀裂が無い。
□ 伐開除根作業が設計図書に定められた条件を満足していることが確認できる。
□ その他

護岸・根固・水制工事
●評価対象項目
□ 施工基面を平滑に仕上げていることが確認できる。
□ 裏込材及び胴込めコンクリートの締固めを、空隙が生じないよう十分に行っていることが確認できる。
□ 緑化ブロック、石積(張)、法枠、かごマット等における材料のかみ合わせ又は連結が、裏込材の吸出しが無いよう行っていることが確認できる。
□ 石積(張)工において、大きさ及び重さが設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 護岸工の端部や曲線部の処理が適切であり、必要な強度及び水密性を確保していることが確認できる。
□ 遮水シートが所定の幅で重ね合わせられ、端部処理が設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 植生工で、植生の種類、品質、配合及び養生が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 根固工、水制工、沈床工、捨石工等において、材料の連結及びかみ合わせが設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 指定材料の品質が、証明書類で確認できる。
□ 基礎工において、掘り過ぎが無く施工していることが確認できる。
□ コンクリートブロック等を損傷無く設置していることが確認できる。
□ 施工にあたって、床堀箇所の湧水及び滞水等は、排除して施工していることが確認できる。
□ 埋戻し材料について、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 有害なクラックが無い。
□ その他

鋼橋工事(RC床版工事はコンクリート構造物に準ずる)

●評価対象項目
【工場製作関係】
□ 鋼材の種別を、品質を証明する書類又は現物により照合していることが確認できる。
□ 溶接作業にあたり、作業員の技量確認を行っていることが確認できる。
□ 溶接作業にあたり、溶接材料の使用区分が設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 溶接施工に係る施工計画書を提出していることが確認できる。
□ 孔空けによって生じたまくれが削り取られているなど、きめ細やかに製作していることが確認できる。
□ 欠陥部の発生が見られないことが確認できる。
□ 塗装作業にあたり、塗布面を十分に乾燥させて施工していることが確認できる。
□ 素地調整を行う場合、第1種ケレン後4時間以内に金属前処理塗装を実施していることが確認できる。
□ 塗料の空缶管理について、写真等で確実に空であることが確認できる。
□ 塗料の品質が出荷証明書、塗料成績表により、製造年月日、ロット番号、色彩、数量が確認できる。
□ その他

【架設関係】
□ ボルトの締付確認が実施され、記録を保管していることが確認できる。
□ ボルトの締付機及び測定機器のキャリブレーションを実施していることが確認できる。
□ 高力ボルトの締め付けを、中心から外側に向かって行っていることが確認できる。
□ 高力ボルトの品質が、証明書類で確認できる。
□ 支承の据付で、コンクリート面のチッピング及び仕上げ面に水切勾配がついていることが確認できる。
□  架設にあたって、部材の応力と変形等を十分検討していることが確認できる。
□ 架設に用いる仮設備及び架設用機材について品質、性能が確保できる規模及び強度を有して確認していることが確認できる。
□ 現場塗装部のケレン及び膜厚管理を適切に行っていることが確認できる。
□ 現場塗装において、温度、湿度、風速等の確認を行っていることが確認できる。
□ その他

砂防構造物工事及び地すべり防止工事(集水井工事を含む)

●評価対象項目
【共通】
□ コンクリートの配合試験及び試験練りを行っており、コンクリートの品質(強度・w/c、最大骨材粒径、塩化物総量、単位水量、アルカリ骨材反応抑制等)が確認できる。
□ コンクリート受け入れ時に必要な試験を実施しており、温度、スランプ、空気量等の測定結果が確認できる。
□ 圧縮強度試験に使用したコンクリート供試体が、当該現場の供試体であることが確認できる。
□ 運搬時間、打設時の投入高さ、締固時のバイブレータの機種及び養生方法が、施工条件及び気象条件に適しており、定められた条件を満足していることが確認できる。(寒中及び暑中コンクリート等を含む)
□ コンクリートの圧縮強度を管理しており、必要な強度に達した後に型枠及び支保工の取り外しを行っている。
□ 地山との取り合わせを適切に行っていることが確認できる。
□ 鉄筋及び鋼材の品質が、証明書類で確認できる。
□ 有害なクラックが無い。
□ その他

【砂防構造物工事に適用】
□ コンクリート打設までさび、どろ、油等の有害物が、鉄筋に付着しないよう管理していることが確認できる。
□ 鉄筋の組立及び加工が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 施工基面を平滑に仕上げていることが確認できる。
□ アンカーの施工が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ ボルトの締付確認が実施され、記録を保管していることが確認できる。
□ ボルトの締付機及び測定機器のキャリブレーションを実施していることが確認できる。
□ その他

【地すべり対策工事(抑止杭・集水井戸工事を含む)】
□ アンカーの施工が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ ライナープレートの組み立てにあたり、偏心と歪みに配慮して施工していることが確認できる。
□ ライナープレートと地山との隙間が少なくなるように施工していることが確認できる。
□ 集・排水ボーリング工の方向及び角度が、適正となるように施工上の配慮をしていることが確認できる。
□ その他

舗装工事

●評価対象項目
【路床・路盤工関係】
□ 設計図書に定められた試験方法でCBR値を測定していることが確認できる。
□ 路床及び路盤工のプルーフローリングを行っていることが確認できる。
□ 路床及び路盤工の密度管理が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 路盤の安定処理は材料が均一になるよう施工していることが確認できる。
□ 路盤の施工に先立って、路床面、下層路盤面の浮き石及び有害物を除去してから施工していることが確認できる。
□ 路床盛土において、一層の仕上がり厚を20cm以下とし、各層ごとに締固めて施工していることが確認できる。
□ 路床盛土において、構造物の隣接箇所や狭い箇所における締固めが、タンパ等の小型締固め機械により施工していることが確認できる。
□ その他

【アスファルト舗装工関係】
□ アスファルト混合物の品質が、配合設計及び試験練りの結果又は事前審査制度の証明書類により確認できる。
□ 舗装工の施工にあたって、上層路盤面の浮き石などの有害物を除去していることが確認できる。
□ プラント出荷時、現場到着時、舗設時等において、アスファルト混合物の温度管理を記録していることが確認できる。
□ 舗設後の交通開放が、定められた条件を満足していることが確認できる。
□ 各層の継ぎ目の位置が、設計図書に定められた数値以上であることが確認できる。
□ 縦継目及び横継目の位置、構造物との接合面の処理等が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ アスファルト混合物の運搬及び舗設にあたって、気象条件を配慮していることが確認できる。
□ 密度管理が設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ その他

【コンクリート舗装工関係】
□ コンクリートの配合試験及び試験練りを行っており、コンクリートの品質(強度・w/c、最大骨材粒径、塩化物総量、単位水量、アルカリ骨材反応抑制等)が確認できる。
□ 舗装工の施工に先だって、上層路盤面の浮き石等の有害物を除去してから施工していることが確認できる。
□ コンクリート受け入れ時に必要な試験を実施しており、温度、スランプ、空気量等の測定結果が確認できる。
□ 圧縮強度試験に使用したコンクリート供試体が当該現場の供試体であることが確認できる。
□ 運搬時間、打設方法及び養生方法が、施工条件及び気象条件に適しており、設計図書に定められた条件を満足していることが確認できる。
□ 材料が分離しないようコンクリートを敷均していることが確認できる。
□ チェアー及びタイバーを損傷などが発生しないよう保管していることが確認できる。
□ その他

法面工事

●評価対象項目
【共 通】
□ 施工基面を平滑に仕上げていることが確認できる。(特に法枠工、コンクリート又はモルタル吹付工関係)
□ 施工に際して、品質に害となる施工面の浮き石やゴミ等を除去してから施工していることが確認できる。
□ 盛土の施工にあたり、法面の崩壊が起こらないよう締固めを十分行っていることが確認できる。
□ 雨水による崩壊が起こらないように、排水対策を実施していることが確認できる。
□ その他

【種子吹付工、客土吹付工、植生基材吹付工関係】
□ 土壌試験の結果を施工に反映していることが確認できる。
□ ネットなどの境界に隙間が生じていないことが確認できる。
□ ネットなどが破損を生じていないことが確認できる。
□ 吹付け厚さが均等であることが確認できる。
□ 使用する材料の種類、品質、配合等が設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 施工時期が定められた条件を満足していることが確認できる。
□ その他

【コンクリート又はモルタル吹付工関係】
□ 使用する材料の種類、品質及び配合が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 金網の重ね幅が、10cm以上確保されていることが確認できる。
□ 金網が破損を生じていないことが確認できる。
□ 吸水性の吹付け面において、事前に吸水させてから施工していることが確認できる。
□ 吹付け厚さが均等であることが確認できる。
□ 吹付け厚さに応じて2層以上に分割して施工していることが確認できる。
□ 圧縮強度試験に使用したコンクリートの供試体が、当該現場の供試体であることが確認できる。
□ 不良箇所が生じないよう跳ね返り材料の処理を行っていることが確認できる。
□ 法肩の吹付けにあたり、地山に沿って巻き込んで施工していることが確認できる。
□ その他

【現場打法枠工関係(プレキャスト法枠工含む)】
□ 使用する材料の種類、品質及び配合が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ アンカーを設計図書どおりの長さで施工していることが確認できる。
□ 現場養生が、設計図書の仕様を満足するように実施されていることが確認できる。
□ 強度試験に使用したコンクリート供試体が当該現場の供試体であることが確認できる。
□ 枠内に空隙が無いことが確認できる。
□ 層間にはく離が無いことが確認できる。
□ 不良箇所が生じないよう跳ね返り材料の処理を行っていることが確認できる。
□ その他

基礎工事及び地盤改良工事

●評価対象項目
【杭関係(コンクリート・鋼管・鋼管井筒、場所打、深礎等)】
□ 杭に損傷及び補修痕が無いことが確認できる。
□ 既製杭の打止め管理の方法及び場所打杭の施工管理の方法が整備されており、その記録を整理していることが確認できる。
□ 杭頭処理において、杭本体を損傷していないことが確認できる。
□ 水平度、鉛直度等が、設計図書を満足していることが確認できる。
□ 溶接の品質管理に関して、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 支持地盤に達していることが、掘削深さ、掘削土砂等により確認できる。
□ 場所打杭について、トレミー管をコンクリート内に2m以上挿入して施工していることが確認できる。
□ 掘削深度、排出土砂、孔内水位の変動及び安定液を用いる場合の孔内の安定液濃度並びに比重等が、設計図書を満足していることが確認できる。
□ 配筋、スペーサーの配置及びコンクリート打設等が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ ライナープレートの組み立てにあたり、偏心と歪みに配慮して施工していることが確認できる。
□ 裏込材注入の圧力などが施工記録により確認できる。
□ 強度確認、セメントミルクの比重管理などの品質に係わる事項の管理資料を整理していることが確認できる。
□ その他

【地盤改良関係】
□ 改良材のバッチ管理記録が整理され、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ セメントミルクの比重、スラリー噴出量、強度等の管理資料を整理していることが確認できる。
□ 事前に土質試験を実施し、改良材の選定、必要添加量の設定等を行っていることが確認できる。
□ 施工箇所が均一に改良されているとともに、十分な強度及び支持力を確保していることが確認できる。
□ その他

海岸工事
●評価対象項目
□ コンクリートの圧縮強度を管理し、必要な強度に達した後に型枠及び支保工の取り外しを行っていることが確認できる。
□ 運搬、打設、締め固めが、気象条件に適しており、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 圧縮強度試験に使用したコンクリート供試体が当該現場の供試体であることが確認できる。
□ コンクリートブロックの転置及び仮置にあたって、強度確認を行っている。
□ 転倒や崩壊等が無いようコンクリートブロックの仮置を行っていることが確認できる。
□ 捨石基礎の均し面を平坦に仕上げていることが確認できる。
□ 工事期間中、1 日1 回は潮位観測を実施して記録していることが確認できる。
□ 台風などの異常気象に備えて施工前に避難場所の確保及び退避設備の対策を講じていることが確認できる。
□ その他

コンクリート橋上部工事
(PC及びRCを対象)
●評価対象項目
□ コンクリートの配合試験及び試験練りを行っており、コンクリートの品質(強度・w/c、最大骨材粒径、塩化物総量、単位水量、アルカリ骨材反応抑制等)が確認できる。
□ コンクリート受け入れ時に必要な試験を実施しており、温度、スランプ、空気量等の測定結果が確認できる。
□ 圧縮強度試験に使用したコンクリートの供試体が、当該現場の供試体であることが確認できる。
□ 施工条件や気象条件に適した運搬時間、打設時の投入高さ及び締固め方法が、定められた条件を満足していることが確認できる。(寒中及び暑中コンクリート等を含む)
□ コンクリートの圧縮強度を管理して、必要な強度に達した後に型枠及び支保工の取り外しを行っていることが確認できる。
□ 鉄筋の品質が、証明書類で確認できる。
□ 鉄筋の引張強度及び曲げ強度の試験値が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ コンクリート打設までにさび、どろ、油等の有害物が鉄筋に付着しないよう管理していることが確認できる。
□ 圧接作業にあたり、作業員の技量確認を行っていることが確認できる。
□ 鉄筋の組立及び加工が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ コンクリートの養生が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ スペーサーの品質及び個数が、設計図書に定められた条件を満足していることが確認できる。
□ プレビーム桁のプレフレクション管理が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 使用する装置及び機器のキャリブレーションを事前に実施していることが確認できる。
□ PC鋼材の緊張及びグラウト注入管理値が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ プレストレッシング時のコンクリート圧縮強度が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ コンクリート圧縮強度の確認は、構造物と同様な養生条件におかれた供試体を用いていることが確認できる。
□ 有害なクラックが無い。
□ その他

塗装工事
●評価対象項目
□ 塗装作業にあたり、塗布面を十分に乾燥させて施工していることが確認できる。
□ ケレンを入念に実施していることが確認できる。
□ 天候状況の確認、気温及び湿度の測定を行い、塗装作業を行っていることが確認できる。
□ 塗料を使用前に撹拌し、容器の塗料を均一な状態にしてから使用していることが確認できる。
□ 鋼材表面及び被塗装面の汚れ、油類等を除去し塗装を行っていることが確認できる。
□ 塗料の空缶管理について写真等で確実に空であることが確認できる。
□ 塗り残し、ながれ、しわ等が無く塗装されていることが確認できる。
□ 溶接部、ボルトの接合部分、構造の複雑な部分について、必要な塗膜厚を確保していることが確認できる。
□ 塗料の品質が出荷証明書、塗料成績表により、製造年月日、ロット番号、色彩、数量が確認できる。
□ その他

トンネル工事
●評価対象項目
□ コンクリートの配合試験及び試験練りを行っており、コンクリートの品質(強度・w/c、最大骨材粒径、塩化物総量、単位水量、アルカリ骨材反応抑制等)が確認できる。
□ コンクリート受け入れ時に必要な試験を実施しており、温度、スランプ、空気量等の測定結果が確認できる。
□ 圧縮強度試験に使用したコンクリートの供試体が、当該現場の供試体であることが確認できる。
□ 施工条件や気象条件に適した運搬時間、打設方法及び締固め方法が、定められた条件を満足していることが確認できる。
□ 吹付コンクリートの配合及びロックボルトの種別、規格が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 設計図書に定められた岩区分(支保工パターン含む)の境界を確認して施工を行っていることが確認できる。
□ 坑内観察調査などについて、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 計測管理を日々行っており、その結果に基づいた施工を行っていることが確認できる。
□ 金網の継ぎ目を15cm以上重ね合わせて施工していることが確認できる。
□ 吹付コンクリートの施工にあたって、浮石等を除いた後に、吹付コンクリートの一層の厚さが15cm以下で地山と密着するよう施工していることが確認できる。
□ 吹付コンクリートを打継ぎする場合は、吹付完了面を清掃した上、湿潤状態で施工していることが確認できる。
□ ロックボルトの定着長が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 防水工に防水シートを使用する場合は、ロックボルト等の突起物にモルタルや保護マット等で防護対策を行っていることが確認できる。
□ 逆巻きの場合において、側壁コンクリートとアーチコンクリートの打継目が同一線上で施工していないことが確認できる。
□ その他

植栽工事
●評価対象項目
□ 活着が促されるよう管理していることが確認できる。
□ 樹木などに損傷、はちくずれ等が無いよう保護養生を行っていることが確認できる。
□ 樹木等の生育に害のある害虫等がいないことが確認できる。
□ 施工完了後、余剰枝の剪定、整形その他必要な手入れを行っていることが確認できる。
□ 肥料が直接樹木の根に触れないよう均一に施肥していることが確認できる。
□ 植生する樹木に応じて、余裕のある植穴を堀り植穴底部を耕していることが確認できる。
□ 添木をぐらつきがないよう設置していることが確認できる。
□ 樹名板を視認しやすい場所に据付けていることが確認できる。
□ その他

防護柵(網)・標識・区画線等設置工事
●評価対象項目
□ 防護柵設置要綱、視線誘導標設置基準、道路標識ハンドブック等の規定を満足していることが確認できる。
□ 防護柵等の床堀りの仕上がり面において、地山の乱れや不陸が生じないように施工していることが確認できる。
□ 防護柵等の基礎工の施工にあたって、無筋及び鉄筋コンクリートの規定を満足していることが確認できる。
□ 防護柵等の支柱の施工にあたって、既設舗装面へ影響が無いよう施工していることが確認できる。
□ 基礎設置箇所について地盤の地耐力を把握して、施工していることが確認できる。
□ 防護柵の支柱の根入長が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ ガードケーブルを支柱に取付ける場合、設計図書に定められた所定の張力を与えているのが確認できる。
□ ガードケーブルの端末支柱を土中に設置する場合、打設したコンクリートが設計図書に定められた強度以上であることが確認できる。
□ ペイント式(常温式)区画線に使用するシンナーの使用量が、10%以下であることが確認できる。
□ 区画線の厚さが見本等で設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 区画線施工後の昼間及び夜間の視認性が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 区画線の施工にあたって 設置路面の水分、泥、砂じん及びほこりを取り除いて行っていることが確認できる。
□ 区画線を消去の場合、表示材(塗料)のみの除去となっており、路面への影響が最小限となっていることが確認できる。
□ プライマーの施工にあたって、路面に均等に塗布していることが確認できる。
□ 区画線の材料が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ その他

電線共同溝工事
●評価対象項目
□ 指定材料の規格が、品質を証明する書類で確認できる。
□ 管路の通過試験を行っており、試験結果から全箇所が導通していることが確認できる。
□ プラント出荷時、現場到着時、舗設時等において、アスファルト混合物の温度管理が記録していることが確認できる。
□ 特殊部の施工基面の支持力が、均等となるようにかつ不陸が無いように仕上げていることが確認できる。
□ 特殊部等の施工において、隣接する各ブロックに目違いによる段差及び蛇行等が無いよう敷設していることが確認できる。
□ 埋戻しにおいて、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 舗装の復旧等が適時行われ、路面の沈下や不陸が無く平坦性を確保していることが確認できる。
□ 管枕及び埋設シートの設置及び土被りが、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 管設置において、それぞれの管の最小曲げ半径を満足していることが確認できる。
□ その他

維持工事
(清掃工、除草工、付属物工、除雪、応急処理等)
●評価対象項目
□ 使用する材料の品質・形状等が適切であり、かつ現場において材料確認を適宜・的確に行っていることが確認できる。
□ 構造物の劣化状況をよく把握して、適切な対策を施していることが確認できる。
□ 監督職員の指示事項に対して、現地状況を勘案し、施工方法や構造についての提案を行うなど積極的に取り組んでいることが確認できる。
□ 緊急的な作業において、迅速かつ適切に対応していることが確認できる。

修繕工事
(橋脚補強、耐震補強、落橋防止等)
●評価対象項目
□ 使用する材料の品質・形状等が適切であり、かつ現場において材料確認を適宜・的確に行っていることが確認できる。
□ 構造物の劣化状況をよく把握して、適切な対策を施していることが確認できる。
□ 監督職員の指示事項に対して、現地状況を勘案し、施工方法や構造についての提案を行うなど積極的に取り組んでいることが確認できる。
□ 施工後のメンテナンスに対する提言や修繕サイクル等を勘案した提案等を行っていることが確認できる。

機械設備工事
●評価対象項目
□ 材料、部品の品質照合の書類(現物照合)を整理し品質の確認ができる。
□ 設備の機能及び性能が、承諾図書のとおり確保され、品質の確認ができる。
□ 設計図書の仕様を踏まえた詳細設計を行い、承諾図書として提出していることが確認できる。
□ 機器の機能及び性能に係わる成績書が整理され、品質の確認ができる。
□ 溶接管理基準の品質管理項目について、品質管理書類を整理し品質の確認ができる。
□ 塗装管理基準の品質管理項目について、品質管理書類を整理し品質の確認ができる。
□ 操作制御設備について、操作スイッチや表示灯が承諾図書のとおり配置され、操作性にすぐれていることが確認できる。
□ 操作制御設備の安全装置及び保護装置の機能・性能確認試験について、試験書類を整理し品質の確認ができる。
□ 小配管、電気配線、配管が承諾図書のとおり敷設していることが確認できる。
□ 設備の取扱説明書を工夫していることが確認できる。
□ 完成図書(取扱説明書)に部品等の点検及び交換方法について、まとめていることが確認できる。
□ 機器の配置が点検しやすいよう工夫していることが確認できる。
□ 設備の構造や機器の配置が、交換頻度の高い部品等の交換作業を容易にできるよう工夫していることが確認できる。
□ 二次コンクリートの配合試験及び試験練りを実施し、試験成績表にまとめていることが確認できる。
□ バルブ類の平時の状態を示すラベルなどが見やすい状態で表示していることが確認できる。
□ 計器類に運転時の適用範囲を見やすく表示していることが確認できる。
□ 回転部や高温部等の危険箇所に表示又は防護をしていることが確認できる。
□ 構造物の劣化状況をよく把握して、適切な対策を施していることが確認できる。
□ 現地状況を勘案し、施工方法等についての提案を行うなど積極的に取り組んでいることが確認できる。
□ その他

電気設備工事
●評価対象項目
□ 製作着手前に、品質や性能の確保に係る技術検討が実施していることが確認できる。
□ 材料・部品の品質照合の結果が品質保証書等(現物照合を含む)で確認でき、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 機器の品質、機能及び性能が設計図書を満足して、成績書にまとめられていることが確認できる。
□ 操作スイッチや表示灯が承諾図書のとおり配置され、操作性に優れていることが確認できる。
□ ケーブル及び配管の接続などの作業が、施工計画書に記載された手順に沿って行われ、不具合が無いことが確認できる。
□ 設備の機能及び性能が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 操作制御関係の機能及び性能が、設計図書の仕様を満足しているとともに、必要な安全装置及び保護装置の作動が確認できる。
□ 設備の総合性能が、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 現場条件によって機器(製品)の機能及び性能が確認できない場合において、工場試験などで確認していることが確認できる。
□ 設備全体についての取扱説明書を工夫し作成(修繕(改造・更新含む)の場合は、修正又は更新)していることが確認できる。
□ 完成図書で定期的な点検や交換を要する部品及び箇所を明示していることが確認できる。
□ 設備の構造において、点検や消耗品の取替え作業が容易にできるよう工夫していることが確認できる。
□ その他

通信設備工事・受変電設備工事
●評価対象項目
電気
□ 設計図書に定められている品質管理を実施していることが確認できる。
□ 材料及び構成部品の品質及び形状について、設計図書等と適合が確認できる証明書等を整備していることが確認できる。
□ 材料の品質照合の結果が、品質保証書等(現物照合を含む)で確認でき、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ 設備、機器の品質、機能及び性能が、成績等で確認でき、設計図書の仕様を満足していることが確認できる。
□ ケーブル及び配管の接続などの作業が、施工計画書に記載された手順に沿って行われ、不具合が無いことが確認できる。
□ 設備全体としての運転性能が所定の能力を満足していることが確認できる。
□ 完成図書において、設備の機能並びに性能及び操作方法が容易に判別できる資料を整備していることが確認できる。
□ 完成図書において、単体品の製造年月日及び製造者が判別できる資料を整備していることが確認できる。
□ 設備全体及び各機器において、設計図書に規定した品質及び性能を工場試験記録により確認できる。
□ 設備全体についての取扱説明書を工夫していることが確認できる。
□ 完成図書で定期的な点検や交換を要する部品及び箇所を明示していることが確認できる。
□ 設備の構造において、点検や消耗品の取替え作業が容易にできるよう工夫していることが確認できる。
□ その他

 

Ⅲ.出来ばえ

各工種ごとに出来ばえの評価対象項目が設定されています。「仕上げが良い」「通りが良い」「配慮がなされている」「美観が良い」と言った項目が多く見られ、検査官の主観による部分が大きいです。検査時に「綺麗な現場を見て貰う」と言った気持ちで補修や清掃をすると良いでしょう。ドローンや高所作業車を使って現場全体を綺麗に写真撮影したりするのも、出来ばえに対しての良い配慮になると思います。

 

評価対象項目

各工種ごとに以下の評価項目で採点されます。この項目は技術検査官の項目になります。

基礎工事
●評価対象項目
□ 土工関係の仕上げが良い。
□ 通りが良い。
□ 端部及び天端の仕上げが良い。
□ 施工管理記録などから不可視部分の出来ばえの良さが伺える。
※地盤改良はc評価とする。

コンクリート橋上部工事 
●評価対象項目
□ コンクリート構造物の表面状態が良い。
□ コンクリート構造物の通りが良い。
□ 天端及び端部の仕上げが良い。
□ 支承部の仕上げが良い。
□ クラックが無い。
□ 全体的な美観が良い。

塗装工事
(工場塗装を除く)
●評価対象項目
□ 塗装の均一性が良い。
□ 細部まできめ細かな施工がされている。
□ 補修箇所が無い。
□ ケレンの施工状況が良好である。
□ 全体的な美観が良い。

植栽工事
●評価対象項目
□ 樹木の活着状況が良い。
□ 支柱の取り付けがきめ細かく施工されている。
□ 支柱の取り付けが堅固である。
□ 全体的な美観が良い。

防護柵(網)工事
●評価対象項目
□ 通りが良い。
□ 端部処理が良い。
□ 部材表面に傷及び錆が無い。
□ 既設構造物等とのすりつけが良い。
□ きめ細やかに施工されている。
□ 全体的な美観が良い。

標識工事
●評価対象項目
□ 設置位置に配慮がある。
□ 標識板の向き並びに角度及びその支柱の通りが良い。
□ 標識板の支柱に変色が無い。
□ 支柱基礎が入念に埋め戻されている。
□ 全体的な美観が良い。

区画線工事
●評価対象項目
□ 塗料の塗布が均一である。
□ 塗視認性が良い。
□ 塗接着状態が良い。
□ 塗施工前の清掃が入念に実施されている。
□ 塗全体的な美観が良い。

機械設備工事
●評価対象項目
□ 主設備、関連設備及び操作制御設備が全体的に統制されており、運転操作性が良い。
□ きめ細かな施工がなされている。
□ 土木構造物、既設設備等とのすりつけが良い。
□ 溶接、塗装、組立等にあたって、細部に渡る配慮がなされている。
□ 全体的な美観が良い。

電気設備工事
●評価対象項目
□ きめ細やかな施工がなされている。
□ 公共物として、安全性の確保、環境及び維持管理等への配慮がなされている。
□ 動作状態において、電気的及び機械的な異常が無く、総合的な機能及び運用性が良い。
□ ケ-ブル等の接続方法及び収納状況が適切である。
□ 操作、保守点検等の容易さを確保するための配慮がなされている。
□ 全体的な美観が良い。

維持修繕工事
●評価対象項目
□ 小構造物等にも注意が払われている。
□ きめ細かな施工がなされている。
□ 既設構造物とのすりつけが良い。
□ 全体的な美観が良い。

電線共同溝工事
●評価対象項目
□ 歩道及び車道の舗装(含、仮復旧舗装)の勾配が適切で、有害な段差が無く平坦性が確保されている。
□ プレキャストコンクリートブロックの蓋に、がたつきや不要な隙間が生じていない。
□ 施工管理記録などから、不可視部分の出来映えの良さが伺える。
□ 全体的な美観が良い。

通信設備工事
受変電設備工事
●評価対象項目
□ 主設備、関連設備等にきめ細かな施工がされている。
□ 公共物として、安全性の確保、環境及び維持管理等への配慮がなされている。
□ 動作状態において、電気的及び機械的な異常が無く、総合的な機能や運用性が良い。
□ 当該設備及び関連設備が全体的に協調及び統制され、総合的な性能向上への配慮がなされている。
□ 操作、保守点検等の容易さを確保するための配慮がなされている。
□ 全体的な美観が良い。

 

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