施工体制台帳の作成について

施工体制台帳は記入欄が多く、何を書き入れたら良いのか分からいことがあると思います。ここでは、施工体制台帳の作成方法について、記入例を用いて詳しく説明します。

施工体制台帳の様式は、国交省や全建統一など色々とあります。基本的には記載内容を満足していれば、どの書式でも問題ありません。

 

様式の種類について

施工体制台帳の様式は、国交省や全建統一など色々とあります。基本的には記載内容を満足していればどの書式でも問題ありません。国交省と全建統一の様式を見比べて見ると、記入欄の位置(順番)が少し違うだけで内容は同じです。

 

参考資料

出典:国交省 近畿地方整備局
HOME>まちづくり・建設産業 >建設産業
建設業法に基づく適正な施工体制と配置技術者

https://www.kkr.mlit.go.jp/kensei/index.html

出典:(一社)北海道建設業協会 労務研究会 平成29年11月改訂版 建設工事現場安全関係参考書式集

http://www.doukenkyo.jp/anzen2/08.html

 

施工体制台帳の作成

国土交通省 近畿地方整備局HPの「建設業法に基づく適正な施工体制と配置技術者」を参考にして説明します。

※平成31年4月1日以降に契約した工事は「一号特定技能外国人の従事の状況(有無)」記入欄が追加になりました。

 

施工体制台帳の記入例です。

 

記入欄にに番号を振りました。いくつかに分けて説明します。

 

参考資料

出典:国交省 近畿地方整備局
HOME>まちづくり・建設産業 >建設産業
建設業法に基づく適正な施工体制と配置技術者

https://www.kkr.mlit.go.jp/kensei/index.html


 

施工体制台帳の作成年月日

:施工体制台帳の作成日です。作成日は、公共工事を施工するために下請契約を締結した日付を記入します。

 

会社名

:工事請負契約を締結した会社名を記入します。

 

事業所名

:作業所名を記入します。


 

建設業の許可

:取得している許可業種(略称可)を全て記載します。許可年月日がいくつかに別れている場合や多すぎて入りきらない時は、下の行を使うなど分けて記入すると良いでしょう。

建設業の許可期間は5年以内になります。許可更新申請中などで日付がわからない時は、許可年月日の下などに「○月○日に更新申請中」と記入しておくと良いと思います。許可業種一覧(略称)
(右側の+ボタンを押すと一覧が表示されます)

 

参考資料

出典:6−6 施工体制台帳の作成等について(通知)平成7年6月20日建設省経建発第147号. 最終改正:平成13年3月30日. 国総建第84号
(6)各記載事項及び添付書類の意義より

https://www.mlit.go.jp/common/000216922.pdf


 

工事名称及び工事内容

:工事名称は、工事請負契約書の工事名を記載します。工事内容は、具体的な延長や面積などを記載します。工種が多い場合などは、代表的なものを選んで記入します。工期と契約日は、施工体制台帳作成日時点での工期と契約日を記入します。

 

発注者名及び住所

:工事請負契約書に記載されている「甲」になります。

 

工期

:工事請負契約書に記載されている工期になります。

 

契約日

:工事請負契約書に記載されている契約日になります。


 

元請契約

:発注者と契約を締結した本社・支店・営業所などを記入します。

 

下請契約

:元請が下請契約を締結した本社・支店・営業所などを記入します。

二以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業しようとする場合は、大臣許可が必要になります。
例)
本社が千葉県千葉県内の営業所で契約を行う場合→大臣許可○、知事許可○
本社が千葉県東京都内の営業所で契約を行う場合→大臣許可○、知事許可×


 

健康保険

:健康保険の適用になる営業所が届け出を行っている場合は「加入」、行っていない場合(摘要になる営業所が複数あり一部について行っていない場合を含む)は「未加入」、保険の摘要が除外されている場合(従業員規模、建設国保など)は「摘要除外」を囲みます。

 

厚生年金保険

: 厚生年金保険の適用になる営業所が届け出を行っている場合は「加入」、行っていない場合(摘要になる営業所が複数あり一部について行っていない場合を含む)は「未加入」、保険の摘要が除外されている場合(従業員規模など)は「摘要除外」を囲みます。

 

雇用保険

: 雇用保険の適用になる営業所が届け出を行っている場合は「加入」、行っていない場合(摘要になる営業所が複数あり一部について行っていない場合を含む)は「未加入」、保険の摘要が除外されている場合は「摘要除外」を囲みます。

 

営業所の名称

:事業所整理記号等は、それぞれ元請契約に係わる営業所の名称および下請契約に係わる営業所名を記入します。

 

参考資料

健康保険、厚生年金、雇用保険の施工体制台帳への番号記載方法について、どの書類のどこの番号を記入したら良いかわかりやすくまとめたものを見つけました。

出典:奈良県土木部建設業指導室

http://www.pref.nara.jp/secure/49145/tuika-syakaihoken-number.pdf


 

発注者の監督員名

:発注者の監督員名を記入します。通常は主任監督員名を記入しますが、代表主任監督員名になる場合もあります。

請負契約が適正に履行されているか工事の施工状況の確認や把握等を行い、適正な履行を確保する業務を行う人になります。

 

権限及び意見申出方法(発注者)

:契約書記載のとおり ※注1)参照

 

監督員名 (受注者)

:一次下請を監督するために受注者が置いた監督員の氏名を記入します。(ここで言う監督員は、下請業者に対して請負契約が適正に履行されているか工事の施工状況の確認や把握等を行い、適正な履行を確保する業務を行う人になります。

 

権限及び意見申出方法(受注者監督員)

:契約書記載のとおり ※注1)参照

 

現場代理人名

:受注者が置いた現場代理人の氏名を記入します。

 

権限及び意見申出方法(受注者現場代理人)

:契約書記載のとおり ※注1)参照

 

監理・主任技術者名

: 受注者が置いた監理・主任技術者の氏名を記入します。

 

資格内容

:「一級土木施工監理技士」など具体的に資格名を記入します。

 

専門技術者名

: 受注者が置いた専門技術者の氏名を記入します。

 

資格内容(専門技術者)

:「一級土木施工管理技士、10年以上の実務経験など」専門技術者の資格内容を記入します。

 

担当工事内容

:担当する工事の内容を記入します。

 

※注1)権限及び意見申出方法の記載について⑯ ⑱ ⑳

細かく記載すると

工事請負契約書第○条に記載のとおり
意見申出方法:書面による

下請負基本契約書第○条に 記載のとおり
意見申出方法:書面による

のようになりますが、約款を細かく確認する必要があり、「下請負者に関する事項」でも同じ内容の項目があります。これが数社も重なると施工体制台帳の作成にとても手間がかかってしまいます。国交省から出されている記載例「建設業法に基づく適正な施工体制」の台帳の記入例に基づいて「契約書記載の通り」と記載すれば良いと思います

希にですが、約款に権限や意見の申出方法ついて記載されていない場合があります。契約前は、見積書にばかり目が行きがちです。約款も重要なのできちんと確認しましょう。

参考資料

出典:国交省 関東地方整備局 建設工事の適正な施工を確保するための建設業法

http://www.ktr.mlit.go.jp/kensan/index00000006.html


 

1号特定技能外国人の従事の状況

:1号特定技能外国人が現場に従事する場合は「有」、従事しない場合は「無」を○で囲みます。

 

外国人建設就労者の従事の状況

:外国人建設就労者が現場に従事する場合は「有」、従事しない場合は「無」を○で囲みます。

 

外国人技能実習生の従事の状況

:外国人技能実習生が現場に従事する場合は「有」、従事しない場合は「無」を○で囲みます。

 

施工体制台帳の概要についてはこちらです

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