施工計画書の作成ポイント(4)指定機械

「指定機械って何だろう?」と思ったはありませんか?実は答えは簡単です。ちょっとしたことに気づけくだけで、すぐに理解できます。ここでは、国交省 関東地方整備局の書類作成マニュアルを参考にして、施工計画書の「(4)指定機械」の作成について説明したいと思います。

 

 

指定機械とは

指定機械とは、「騒音」「振動」「排ガス」「標準操作」に該当する機械を記載します。

計画上の機械名・規格・台数・使用工種を作成例のように記入します。実際の施工とピッタリ合わせるのは無理だと思いますが、ある程度は実施工と同じになるように合わせましょう。

 

作成例

ポイントは、備考欄へこのような内容の記載事項がある機械が「指定機械」、記載事項がない場合が「主要船舶・機械」になります。

見積もり参考資料や数量総括表に、機械の大きさなどが記載されている時があります。これは、積算上での考え方で「機械を指定する」と言った意味ではありません。実際に機械を指定する場合は、特記仕様書へ記載されると思います。私自身の経験では、工法が指定されていた工事をみたことはありますが、使用機械(貸与品を除く)が指定になっているのをみかけたことはありません。

 

参考までに、以前は特記仕様書に指定機械について記載されていましたが、現在では共通仕様書に記載されるようになりました。関東地方では、土木工事共通仕様書(令和2年4月改定)に、1-1-1-31 環境対策として、「6.排出ガス対策型建設機械」と「8.低騒音型・低振動型建設機械」について記載されています。詳細は下記をご覧下さい。

6.排出ガス対策型建設機械
(右側の+ボタンを押すと本文が表示されます)

6.排出ガス対策型建設機械
 受注者は、工事の施工にあたり表1-1-1に示す建設機械を使用する場合は、「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律(平成29年5月改正法律第41号)」に基づく技術基準に適合する特定特殊自動車、または、「排出ガス対策型建設機械指定要領(平成3年10月8日付建設省経機発第249号)」、「排出ガス対策型建設機械の普及促進に関する規程(最終改正平成24年3月23日付国土交通省告示第318号)」もしくは「第3次排出ガス対策型建設機械指定要領(最終改訂平成23年7月13日付国総環リ第1号)」に基づき指定された排出ガス対策型建機械(以下「排出ガス対策型建設機械等」という。)を使用しなければならない。
 排出ガス対策型建設機械等を使用できないことを監督職員が認めた場合は、平成7年度建設技術評価制度公募課題「建設機械の排出ガス浄化装置の開発」またはこれと同等の開発目標で実施された民間開発建設技術の技術審査・証明事業もしくは建設技審査証明事業により評価された排出ガス浄化装置を装着した建設機械を使用することができるが、これにより難い場合は、監督職員と協議するものとする。
 受注者は、トンネル坑内作業において表1-1-2に示す建設機械を使用する場合は、2011年以降の排出ガス基準に適合するものとして「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律施行規則」(令和元年6月改正経済産業省・国土交通省・環境省令第1号)16条第1項第2号もしくは第20条第1項第2号に定める表示が付された特定特殊自動車、または「排出ガス対策型建設機械指定要領(平成3年10月8日付建設省経機発第249号)」もしくは「第3次排出ガス対策型建設機械指定要領(最終改訂平成23年7月13日付国総環リ第1号)に基づき指定されたトンネル工事用排出ガス対策型建設機械(以下「トンネル工事用排出ガス対策型建設機械等」という。)を使用しなければならない。
 トンネル工事用排出ガス対策型建設機械等を使用できないことを監督職員が認めた場合は、平成7年度建設技術評価制度公募課題「建設機械の排出ガス浄化装置の開発」またはこれと同等の開発目標で実施された民間開発建設技術の技術審査・証明事業もしくは建設技術審査証明事業により評価された排出ガス浄化装置(黒煙浄化装置付)を装着した建設機械を使用することができるが、これにより難い場合は、監督職員と協議するものとする。

表1-1-1

機 種備 考
一般工事用建設機械
・バックホウ
・トラクタショベル(車輪式)
・ブルドーザ
・発動発電機(可搬式)
・空気圧縮機(可搬式)
・油圧ユニット(以下に示す基礎工事用機械のうち、ベースマシンとは別に、独立したディーゼルエンジン駆動の油圧ユニットを搭載しているもの;油圧ハンマ、バイブロハンマ、油圧式鋼管圧入・引抜機、油圧式杭圧入・引抜機、アースオーガ、オールケーシング掘削機、リバースサーキュレーションドリル、アースドリル、地下連続壁施工機、全回転型オールケーシング掘削機)
・ロードローラ、タイヤローラ、振動ローラ
・ホイールクレーン
 ディーゼルエンジン(エンジン出力7.5kW以上260kW以下)を搭載した建設機械に限る。
 ただし、道路運送車両の保安基準に排出ガス基準が定められている自動車で、有効な自動車検査証の交付を受けているものは除く。

表1-1-2

機 種備 考
トンネル工事用建設機械
・バックホウ
・トラクタショベル
・大型ブレーカ
・コンクリート吹付機
・ドリルジャンボ
・ダンプトラック
・トラックミキサ
 ディーゼルエンジン(エンジン出力30kW以上260kW以下)を搭載した建設機械に限る。
 ただし、道路運送車両の保安基準に排出ガス基準が定められている大型特殊自動車及び小型特殊自動車以外の自動車の種別で、有効な自動車検査証の交付を受けているものは除く。

8.低騒音型・低振動型建設機械
(右側の+ボタンを押すと本文が表示されます)
8.低騒音型・低振動型建設機械
 受注者は、建設工事に伴う騒音振動対策技術指針(建設大臣官房技術参事官通達、昭和62年3月30日改正)によって低騒音型・低振動型建設機械を設計図書で使用を義務付けている場合には、低騒音型・低振動型建設機械の指定に関する規定(国土交通省告示、平成13年4月9日改正)に基づき指定された建設機械を使用しなければならない。ただし、施工時期・現場条件等により一部機種の調達が不可能な場合は、認定機種と同程度と認められる機種または対策をもって協議することができる。

出典:国交省 関東地方整備局
ホーム > 技術情報 > 共通仕様書 > 土木工事共通仕様書(令和2年4月改定)
https://www.ktr.mlit.go.jp/gijyutu/gijyutu00000035.html

 

指定機械の関連リンク集

国土交通省で排出ガス・低騒音・低振動・標準操作などの指定機械についての情報が掲載されているHPのリンクを集めました。参考にして頂けると幸いです。

 

排出ガス対策型建設機械

https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/constplan/sosei_constplan_fr_000002.html

低騒音型建設機械・低振動型建設機械

https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/constplan/sosei_constplan_tk_000003.html

標準操作方式建設機械

https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kensetsusekou/kankyou/mic/hyou-ope.htm

建設機械の環境・安全対策の取り組み

https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kensetsusekou/kankyou/mic/mic.htm

出典:国土交通省

 

主要船舶・機械の作成ポイントについてまとめた記事です

関連記事

「主要船舶・機械」って、どの機械の載せたらいいんだろう?と思ったことはありませんか?あまり考え込まなくても大丈夫です。ここでは、国交省 関東地方整備局の書類作成マニュアルを参考にして、施工計画書の「(5)主要船舶・機械」の作成について説明[…]

 

関連記事

施工計画書作成のポイントの目次ページです。ご覧になりたい項目をクリックして下さい。 施工計画書とは[sitecard subtitle=関連記事 url=https://dobokuw[…]